2011-08-23
愛の巡礼(聖と俗にまみれて…)
この世の中には、まだまだ見えない世界が存在しているのかもしれないね。
私一人では決して見ることができなかったものが、先生と過ごすうちに見えるようになってきた。
昔から好奇心は旺盛だったけれど、視界は今よりもうんと狭かったような気がする。
昨夜二組のカップルについて書いた。
どちらのカップルに対しても、理解できないと考える人が大半だろうけれど…。
それでいいんだと思うんだよね、今に満足があればね。
でも少しでもその満足に疑いを感じる人がいるなら、私が描いた空想にお付き合い願いたいな…美月o(^-^)o
愛の巡礼(聖と俗にまみれて…)
ある森に年老いた男女が辿り着いた。
二人は森の番人に挨拶をすると、森の中で仕事をすることを許された。
けれど二人に売るものはなく、売れるものは貧しい女体しかなかった。
森には番人の子分がいて、この森に初めてたどり着いた旅人にあった商売の仕方や客の斡旋をしてくれる。
金を得たものは駄賃を支払い、金の無いものは免除が許された。
それを不平等と呼ぶことのないこの森を、森を囲む街の人々は『異界』と呼んで恐れた。
子分の力によって、女に客が付いた。
待ちに待った客でありながら、いざとなると男は戸惑いを隠せなかった。
女は男と生きる為ならどんな覚悟も厭わなかった。
もちろん男も同じ気持ちだった。
けれど男は女が間男に傷つけられてしまうのが心配で、客と戯れる女の傍を離れることができず、その場に留まり身を固くし耐え続けた。
番人の子分は女を心配する男に寄り沿い、客が引けるまで男の傍を離れなかった。
仕事が終わると、男と女は森の番人に御礼をいいに行った。
「長旅で疲れただろう、今夜はゆっくり休め…」
番人は男に言うと、森を囲むネオンの中にも、森の住人が体を休める宿があることを教えてくれた。
お腹も空いていた。旅の疲れが老いた体に堪える。
二人は街に出ようと、重い足を引きずるように歩きだす。
けれど街に出る前に男にはどうしてもやらなくてはならないことがあった。
男は女をベンチに座らせると、誰に遠慮することなく女の唇を奪った。
男は女を取り戻す為、女は男の元に帰る為に、強く抱き合い長い長い口付けを交わした。
あまりに不器用な二人は、愛することと生きることを区別して考えることができなかった。
二人の選んだ道が人間社会からかけ離れた世界であっても、二人はお互いさえいてくれたらそれで良いと思っていた。
そして明日がどんなに暗い日であろうと、愛しい人の存在があれば幸福であると信じた。
やがて、どちらかが死ねばどちらも生き残ることができない運命共同体となった男と女。
「お前たちが薄汚れたカラスの化身だったとしても、愛することの尊さを知ったものは、この異界からも天に昇ることができるのだ」と森の番人から告げられた。
二人は顔を見合わせ微笑んだ。
「今ここに…二人のいる場所が天国なのです」
男が森の番人にそう告げると、二人の影はひとつとなり、やがて神々しい光となって空高く舞い上がった。
森の住人にも、森を囲む街の人々にも金と銀に輝く星が夜空を流れていく姿が見える。
この世の聖と俗に生きる人々の全てが手を合わせ、流れ星に向かって願いを込めた。
どうか幸せになれますようにと…。
終わり
PS・・・時計が12時を過ぎ、49年前、先生と私がこの世に産まれた日となりました。
先生と私・・・
同じ年の同じ日に生まれた私達ですが、同日に生まれた偶然を奇跡と呼ぶよりも、先生と出会えたことに奇跡を感じます。
確立的に言えば奇跡に近い数字でありながら、それでも先生が生まれてこなければ、私は先生に出会うことができなかったと思うと、先生の生まれた日が愛おしいのです。
生きてきた幾通りの選択肢の中で、少しでも時間の掛け違えがあれば出会うことができなかったでしょうね。
きっと先生に出会えなければ、これほどの熱情を持って人を愛することができるなど知らずに死んでいったのだろうと思います。
幾千人もの人との出逢いの中で、唯一巡り合いに感謝できた人は先生ただ一人です。
だからね、どうしても離れたくないと思ってしまう。
昨夜記事に書いた浮浪者らしき老カップルですが、二人はどんなことがあっても一緒にいたいのだと感じました。
それ以外、何も望むものがないのです。
私はこれほどでお互いの存在に執着しあう男女に出会ったことがありません。
私たちの誕生花は菩提樹、花言葉は夫婦愛です。
菩提樹の昔話に夫婦愛の話があります。
※
見知らぬ旅人に宿と食事を与えた老夫婦がいました。
旅人は神様でした。
神様はお礼に何か望みはあるか?と問いました。
二人は言いました。
「私達は長いこと一緒に暮らしてきました。子供もなく二人で一緒に年をとりました」
「だからこのままずっと一緒に居られたらよいと思うのですが、人間は必ず死にます」
「それは仕方の無いことと思ってはいるのですが、どちらが先に死んで一人が残れば、その寂しさ苦しさを分け合うことができません…そう思うと悲しいのです」
生きる時も死ぬ時も一緒でありたいと願う老夫婦の思いを知り、神様は二人の悲しみは必ず救われると言って去っていきました。
最期の時が来ました。
おじいさんは樫の木に、おばあさんは菩提樹の木になりました。
樫の木と菩提樹は仲良く寄り添い、枝を絡めあいながら、今もひっそりと立っています。
※
私はこのお話が子供の頃から大好きです。
願わくば、父と母も神様と出逢い、樫木と菩提樹にしてあげてもらいたかった。
そして私も…永遠に先生の傍にいたいと思っています。
PS… 先生、お誕生日おめでとう(*^_^*)
また新たな一年の始まりとなりましたね。
この年も沢山のことに触れ、数多くの感動を味わいましょうね。
それとね・・・
もうお互いによい年なのだから、ストリートファイト張りの喧嘩は控えるようにしたいものですね。
美月
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私一人では決して見ることができなかったものが、先生と過ごすうちに見えるようになってきた。
昔から好奇心は旺盛だったけれど、視界は今よりもうんと狭かったような気がする。
昨夜二組のカップルについて書いた。
どちらのカップルに対しても、理解できないと考える人が大半だろうけれど…。
それでいいんだと思うんだよね、今に満足があればね。
でも少しでもその満足に疑いを感じる人がいるなら、私が描いた空想にお付き合い願いたいな…美月o(^-^)o
愛の巡礼(聖と俗にまみれて…)
ある森に年老いた男女が辿り着いた。
二人は森の番人に挨拶をすると、森の中で仕事をすることを許された。
けれど二人に売るものはなく、売れるものは貧しい女体しかなかった。
森には番人の子分がいて、この森に初めてたどり着いた旅人にあった商売の仕方や客の斡旋をしてくれる。
金を得たものは駄賃を支払い、金の無いものは免除が許された。
それを不平等と呼ぶことのないこの森を、森を囲む街の人々は『異界』と呼んで恐れた。
子分の力によって、女に客が付いた。
待ちに待った客でありながら、いざとなると男は戸惑いを隠せなかった。
女は男と生きる為ならどんな覚悟も厭わなかった。
もちろん男も同じ気持ちだった。
けれど男は女が間男に傷つけられてしまうのが心配で、客と戯れる女の傍を離れることができず、その場に留まり身を固くし耐え続けた。
番人の子分は女を心配する男に寄り沿い、客が引けるまで男の傍を離れなかった。
仕事が終わると、男と女は森の番人に御礼をいいに行った。
「長旅で疲れただろう、今夜はゆっくり休め…」
番人は男に言うと、森を囲むネオンの中にも、森の住人が体を休める宿があることを教えてくれた。
お腹も空いていた。旅の疲れが老いた体に堪える。
二人は街に出ようと、重い足を引きずるように歩きだす。
けれど街に出る前に男にはどうしてもやらなくてはならないことがあった。
男は女をベンチに座らせると、誰に遠慮することなく女の唇を奪った。
男は女を取り戻す為、女は男の元に帰る為に、強く抱き合い長い長い口付けを交わした。
あまりに不器用な二人は、愛することと生きることを区別して考えることができなかった。
二人の選んだ道が人間社会からかけ離れた世界であっても、二人はお互いさえいてくれたらそれで良いと思っていた。
そして明日がどんなに暗い日であろうと、愛しい人の存在があれば幸福であると信じた。
やがて、どちらかが死ねばどちらも生き残ることができない運命共同体となった男と女。
「お前たちが薄汚れたカラスの化身だったとしても、愛することの尊さを知ったものは、この異界からも天に昇ることができるのだ」と森の番人から告げられた。
二人は顔を見合わせ微笑んだ。
「今ここに…二人のいる場所が天国なのです」
男が森の番人にそう告げると、二人の影はひとつとなり、やがて神々しい光となって空高く舞い上がった。
森の住人にも、森を囲む街の人々にも金と銀に輝く星が夜空を流れていく姿が見える。
この世の聖と俗に生きる人々の全てが手を合わせ、流れ星に向かって願いを込めた。
どうか幸せになれますようにと…。
終わり
PS・・・時計が12時を過ぎ、49年前、先生と私がこの世に産まれた日となりました。
先生と私・・・
同じ年の同じ日に生まれた私達ですが、同日に生まれた偶然を奇跡と呼ぶよりも、先生と出会えたことに奇跡を感じます。
確立的に言えば奇跡に近い数字でありながら、それでも先生が生まれてこなければ、私は先生に出会うことができなかったと思うと、先生の生まれた日が愛おしいのです。
生きてきた幾通りの選択肢の中で、少しでも時間の掛け違えがあれば出会うことができなかったでしょうね。
きっと先生に出会えなければ、これほどの熱情を持って人を愛することができるなど知らずに死んでいったのだろうと思います。
幾千人もの人との出逢いの中で、唯一巡り合いに感謝できた人は先生ただ一人です。
だからね、どうしても離れたくないと思ってしまう。
昨夜記事に書いた浮浪者らしき老カップルですが、二人はどんなことがあっても一緒にいたいのだと感じました。
それ以外、何も望むものがないのです。
私はこれほどでお互いの存在に執着しあう男女に出会ったことがありません。
私たちの誕生花は菩提樹、花言葉は夫婦愛です。
菩提樹の昔話に夫婦愛の話があります。
※
見知らぬ旅人に宿と食事を与えた老夫婦がいました。
旅人は神様でした。
神様はお礼に何か望みはあるか?と問いました。
二人は言いました。
「私達は長いこと一緒に暮らしてきました。子供もなく二人で一緒に年をとりました」
「だからこのままずっと一緒に居られたらよいと思うのですが、人間は必ず死にます」
「それは仕方の無いことと思ってはいるのですが、どちらが先に死んで一人が残れば、その寂しさ苦しさを分け合うことができません…そう思うと悲しいのです」
生きる時も死ぬ時も一緒でありたいと願う老夫婦の思いを知り、神様は二人の悲しみは必ず救われると言って去っていきました。
最期の時が来ました。
おじいさんは樫の木に、おばあさんは菩提樹の木になりました。
樫の木と菩提樹は仲良く寄り添い、枝を絡めあいながら、今もひっそりと立っています。
※
私はこのお話が子供の頃から大好きです。
願わくば、父と母も神様と出逢い、樫木と菩提樹にしてあげてもらいたかった。
そして私も…永遠に先生の傍にいたいと思っています。
PS… 先生、お誕生日おめでとう(*^_^*)
また新たな一年の始まりとなりましたね。
この年も沢山のことに触れ、数多くの感動を味わいましょうね。
それとね・・・
もうお互いによい年なのだから、ストリートファイト張りの喧嘩は控えるようにしたいものですね。
美月
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