2ntブログ
2012-05-30

旅の思い出

先生と旅をしながら、先生と一緒でなければ味わえない空間があるなぁ~とつくづく感じた。

目的地を持たない旅は、好奇心を刺激してくれるでしょ。
この眼で観たままのがそのまま脳に映写されるのだから、どの景色も鮮明だしね。

今までの旅にも様々なハプニングがあったのだろうけれど(あまり感じたことないんだけどね…)、それが嬉しいサプライズになったりする。
地図のない旅をしているというより、冒険旅行をしているのかもしれないなぁ~。

今は昔と違って何でも下調べすることができる世の中だけど、便利な分だけ感性まで人任せになってしまう気がする。
でも思い方なんて、人それぞれでいいと思うけどね。

私は捻くれ者だから、人の評価を鵜呑みにできないし、それに気が短いので長い列にも並べない。
そうなると誰も行かないようなところで、最高の自己満足を探さなくてはいけないのだけれど、これも当たりが少ない。

だけどね、海岸に打ち上げられた貝殻の中から、きらっと光るものを見つけた時の感動ったら、ダイヤモンドより輝いて見えてしまう。

まあね・・・単純なんだろうけどね。
でも純粋なところでもあると、そっと褒めてくれると嬉しいなっ(*^_^*)

土曜日は、三河島を散策した後、ゆったりとした昼食を取った。
日常であればお昼ご飯はかなりおざなりだけど、慌てることもなく、ゆっくりと会話を楽しみながら、先生と過ごせる時間はとても贅沢に思える。

食事を終え上野に戻ろうと日暮里駅に向かうと、駅のロータリーに停車していた都バスの行き先に「泪橋」と書かれていて、先生に「泪橋って、どうして泪橋というのだろうね?」と尋ねた。

先生は何も教えてくれなかったけれど、私は「泪橋」という地名が引っかかってた。
どこかで観た?、ううん、どこかで聞いたことのあるような・・・。
心の奥に切ない思いが残ってるんだけど、それが何なのか?思い出せなくて先生に聞いたんだけどね。

バスに乗ってしばらくしたら先生が教えてくれた。
「明日のジョーに出てくる橋だよ」ってね…。

うん、そうだった・・・あの橋の下にジムを建てたんだよね。

(明日の為にその一、明日のために打つべし…)

私も子供の頃、明日のために色々と決め事をしたんだけどね、でもジョーのように変人になれるほど夢中になれることはなかったかもしれないなぁ~。
だけど今は変人レベルで恋しています(^_-)-☆

泪橋でバスを降りた。
降りた地は、山谷と呼ばれた街だった。

今は山谷という地名はどこにもなかったけれど、紛れもなくドヤ街だったなぁ~。
まるで吉見の百穴のように狭い部屋を備えた小さな宿が一面に連なっていた。

街を歩けば、どこも同じように高齢化していて活気にかけていた。
それでも昼間から地面に座り込んで酒を飲む人達は元気あったなぁ。

「立小便禁止」と書かれた張り紙は、犬用ではなく人間向けだったのが可笑しくて、先生と二人声を潜めながらも、心の中では馬鹿笑いしちゃった。

だからといって孤独な世界かと言えばそうではなく、安い酒を酌み交わし、笑いあえる仲間がいるだけ幸せかもしれないと思った。
同じ穴の狢になれることなど、一般社会ではなかなかないからね。

けれど、お目当ての泪橋も思川も今はもうなくなってしまったらしいて、ちょっとがっかり(^_^;)
それにしても都市開発に伴い、都会の地名が次々となくなっていくよね。

以前、先生がその土地に付けられた名の大切さを話してくれたことがある。
どの名前にも意味があって、長い歴史が地名に刻まれている。

過去は今に繋がりながら、それでも未来を変えるほどの力はないかもしれない。
だけど忘れ去られてしまうものの中には、決して忘れてはいけない悲しみの記憶もあるんだよね。

なんの予兆もないまま、シャボン玉のように一瞬で消えてしまった人達のことを思うと心が痛む。

空を仰いで遠くを見つめる瞳に何が見えるのかな?
楽しかった思い出が、走馬灯のようにぐるぐると駆け巡っているのかもしれないよね。

私は楽しかったことをいっぱい覚えていたいと思う。
先生に出逢えて良かったと、これからも何度も言うつもりでいるけれど、でもね、毎回思いは違うのだから上書きとは違う。

更に新しい今に喜びを感じて伝える言葉だから、これからも大切に使わなくちゃいけないよね。
美月
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Author:美月
今年の夏で49歳になります。
月日の経つのは早いもので、不倫愛歴七年目を迎えました。この出会いに感謝して、灰になるまで恋を…と願っています。

幼い頃から月に心惹かれ、今では月が心を映す鏡となっています。こんな月マニアの私の為に、愛する人が「美月」と名づけてくれました。いつまでも大切に使っていきたいと思います。

ようこそ…
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