2009-05-07
夫婦桜
先生と出会ってから、5回目の春を迎え今年も二人で桜を楽しむことが出来ました。
5年前・・・ある晩、メル友募集の一文に眼が止まりました。
それが先生との出会いでした。
男女の交わりを出会いに求めていたわけではなく、仮想世界…見えない相手だからこそ、なんでも腹を割って話せる人が欲しかったのかもしれません。
そして仮想世界から始まった二人は、いつしか現実世界の二人へと移行していきました。
「淡い恋心」
それは本物の先生に直接会う前(文中)から、始まっていたような気がします。
毎晩、メールを交し合い、それは今も途切れることなく続いますが、他の恋愛カップルのメールのやり取りを知ることはないけれど、でもね、きっと私達のメールはどこか普通と違っていたような・・・。
出会ったばかりの頃、先生からのメールに「いつか君は主人の元へ帰っていくだろう・・・・」と書いてありました。
「渡り鳥が海上で休む宿木、 疲れた翼を休めるため俺がいるんだよ」って・・・。
私はね、私が先生の宿木ではないか?と思って哀しくなりました。
もちろん今も家庭はあるけれど、心の居場所を見つけることが出来なくなってしまった私は、この海(先生の存在)がとても広く大きく感じられたからです。
思い悩む日々・・・
一人、輝く星空を見上げて車を飛ばし、長年通いなれた海へと向かったこともあります。
海に着いたら空と海が白けだし、次第に朝の空気へと変わっていく。
だけど、海はなにも変わってはいなかった。
ただいつもと同じ海がそこにあるだけでした。
そんな当たり前のことがわからない自分が、あまりにも馬鹿馬鹿しく思えて、可笑しくて涙が出てしまった。
結婚生活で得たものは?本当は最初から何も変わっていなかったことに気付きました・・・。
最初のまま・・・暦は月日を綴り・・・時計は時を刻むけれど、お互いに歩んでいる道が違うことに気付かないほど、相手が見えていなかったただけのことだと知れば、今を儚く思う感情は、大義名分欲しさに体裁よく、後付したものに他ならない・・・。
そのことを認めるべき時がやっと来たように思えました。
「大切な時間・・・」
今年も先生とお花見をしながら、花見客に物売る一組の夫婦の背中を見つめていました。
冷たい氷水に手を入れ、お酒を売る年配の妻の手は、山芋のようにごつごつと腫れあがって痛々しかった。
旦那は売れない菓子を並べては、忙しく働く妻を横目で見つめ、それでいて申し訳無い程度にダンボールを潰しては、妻と同じ時間を共有しているようにも思えました。
しっかり者の妻と役立たずな旦那・・・(笑)
だけどね、懸命に働く妻の背中を見ていたら、この女性にとっては、この旦那がいないと生きていけないほど大切な存在なのだと感じてきました。
この旦那がいるから・・・この妻がいるから・・・お互いの今がある。
これが本当の夫婦の形なのでしょうね。
私達は互いに語ることなく、しばらく二人の背中をじっと見つめていました。
私は先生と同じ景色が見えていることの喜びと、この夫婦に出会えた感動で無性に心が浮き立ってしまい、途中から一人ではしゃぎ始めて、いつものように先生に怒られてしまったけれど、人様の愛する亭主を馬鹿にしながらも、なぜか?心は和み癒されていく・・・愛に触れて・・・(^^ゞ
桜が五分ほど咲き、人々が七分咲きとなる並木道を黙って二人で手を繋ぎ、ネオンの街へと向かいました。
先生が言いました。
「お前、俺をあの旦那と同じだと思ってるだろうっ!!!」
「えへへ!・・・思ってるよっ・・・・だってね・・・先生ってね・・・・むふふっ・・・」
だってね、先生は偏屈者だけど・・・それに気が短いし・・・怒ると子供みたいになっちゃうし・・・。
それにね、もし?私がいなくなったら、桜を見つけるたびに鑑賞が感傷になってしまうと思うから・・・(^_^;)
桜の下には薄紅色の頬が似合うと思う。
こんな私でも先生は私が傍にいることを喜んでくれていると思うから、私は最期の一葉ならぬ永遠に枯れない姥桜のまま、先生の傍にいようと思っています。
そして・・・今日も花便りが届きました。
日々、薔薇の美しさに魅了されながらも、何より嬉しいと思うことは、薔薇を映しながら、私に送ろうと思ってくれる先生の思いやりの心です。
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5年前・・・ある晩、メル友募集の一文に眼が止まりました。
それが先生との出会いでした。
男女の交わりを出会いに求めていたわけではなく、仮想世界…見えない相手だからこそ、なんでも腹を割って話せる人が欲しかったのかもしれません。
そして仮想世界から始まった二人は、いつしか現実世界の二人へと移行していきました。
「淡い恋心」
それは本物の先生に直接会う前(文中)から、始まっていたような気がします。
毎晩、メールを交し合い、それは今も途切れることなく続いますが、他の恋愛カップルのメールのやり取りを知ることはないけれど、でもね、きっと私達のメールはどこか普通と違っていたような・・・。
出会ったばかりの頃、先生からのメールに「いつか君は主人の元へ帰っていくだろう・・・・」と書いてありました。
「渡り鳥が海上で休む宿木、 疲れた翼を休めるため俺がいるんだよ」って・・・。
私はね、私が先生の宿木ではないか?と思って哀しくなりました。
もちろん今も家庭はあるけれど、心の居場所を見つけることが出来なくなってしまった私は、この海(先生の存在)がとても広く大きく感じられたからです。
思い悩む日々・・・
一人、輝く星空を見上げて車を飛ばし、長年通いなれた海へと向かったこともあります。
海に着いたら空と海が白けだし、次第に朝の空気へと変わっていく。
だけど、海はなにも変わってはいなかった。
ただいつもと同じ海がそこにあるだけでした。
そんな当たり前のことがわからない自分が、あまりにも馬鹿馬鹿しく思えて、可笑しくて涙が出てしまった。
結婚生活で得たものは?本当は最初から何も変わっていなかったことに気付きました・・・。
最初のまま・・・暦は月日を綴り・・・時計は時を刻むけれど、お互いに歩んでいる道が違うことに気付かないほど、相手が見えていなかったただけのことだと知れば、今を儚く思う感情は、大義名分欲しさに体裁よく、後付したものに他ならない・・・。
そのことを認めるべき時がやっと来たように思えました。
「大切な時間・・・」
今年も先生とお花見をしながら、花見客に物売る一組の夫婦の背中を見つめていました。
冷たい氷水に手を入れ、お酒を売る年配の妻の手は、山芋のようにごつごつと腫れあがって痛々しかった。
旦那は売れない菓子を並べては、忙しく働く妻を横目で見つめ、それでいて申し訳無い程度にダンボールを潰しては、妻と同じ時間を共有しているようにも思えました。
しっかり者の妻と役立たずな旦那・・・(笑)
だけどね、懸命に働く妻の背中を見ていたら、この女性にとっては、この旦那がいないと生きていけないほど大切な存在なのだと感じてきました。
この旦那がいるから・・・この妻がいるから・・・お互いの今がある。
これが本当の夫婦の形なのでしょうね。
私達は互いに語ることなく、しばらく二人の背中をじっと見つめていました。
私は先生と同じ景色が見えていることの喜びと、この夫婦に出会えた感動で無性に心が浮き立ってしまい、途中から一人ではしゃぎ始めて、いつものように先生に怒られてしまったけれど、人様の愛する亭主を馬鹿にしながらも、なぜか?心は和み癒されていく・・・愛に触れて・・・(^^ゞ
桜が五分ほど咲き、人々が七分咲きとなる並木道を黙って二人で手を繋ぎ、ネオンの街へと向かいました。
先生が言いました。
「お前、俺をあの旦那と同じだと思ってるだろうっ!!!」
「えへへ!・・・思ってるよっ・・・・だってね・・・先生ってね・・・・むふふっ・・・」
だってね、先生は偏屈者だけど・・・それに気が短いし・・・怒ると子供みたいになっちゃうし・・・。
それにね、もし?私がいなくなったら、桜を見つけるたびに鑑賞が感傷になってしまうと思うから・・・(^_^;)
桜の下には薄紅色の頬が似合うと思う。
こんな私でも先生は私が傍にいることを喜んでくれていると思うから、私は最期の一葉ならぬ永遠に枯れない姥桜のまま、先生の傍にいようと思っています。
そして・・・今日も花便りが届きました。
日々、薔薇の美しさに魅了されながらも、何より嬉しいと思うことは、薔薇を映しながら、私に送ろうと思ってくれる先生の思いやりの心です。
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