2013-06-18
父の日
昨日は父の日だったので、父に逢いに行って来た。
誰が聞いても特別なことではないのかもしれない。
ただ毎年であれば長男の嫁として義父の家へ行き、父の日の祝いに来るだろう義妹夫婦二組を笑顔で迎えるべき立場だと思う。
…そう、確かに去年までは、そうしなければいけないと思っていた。
でも今年は違った。というより幸せ芝居は止めることにして、独りで父の日を過ごす父に逢いに行きたいと思った。
隣近所、誰も住んでいないのではないかと思うくらい静かな夕暮れ時、父と二人でテレビも付けず思い出話を語り合った。
「お前は幾つになった?」
父に聞かれて「おい!子供の年を忘れるのか?」とすばやい突っ込みを入れたけれど、父の年から引き算すれば私の年は自然と出てくるし、計算が出来ないほどボケているようには感じない。
父が言いたかったのは実年齢としての年ではなく、わが子が今年で51歳になることが信じられない様子だった。
「俺が年をとっても仕方ないよなぁ~」と82歳の父が言う。
「休日の夕暮れに82歳のパパと二人でのんびりと話をしているなんて信じられないよね」私が言う。
二人で商店街時代の話をしながら、昔の方が良かったのかな?と疑問符を投げかけてみた。
今より良くないんだよね。
生活にゆとりもなければお金もない。あるのは…苦労と借金だけ。
だけど当時は銀行から借金が出来るのは立派なことだったとえばられつつ、「借金があっても夢はあったよね!」と切り返してはみたけれど、思い出の中の私の姿が貧乏だったことに変わりなかった。
ただ…暗い話の合間にも、まるでオレンジ色の夕日に似た安堵感を与えてくれるのが母のお粗末な武勇伝だった。
「俺、あいつに出会わなかったら、寂しい人生だっただろうなぁ~」
「うん、そうだね。今よりきっと性格が悪くなっていたと思うよ」
「じゃあ~、もっと長生きしちゃうよなぁ~」
「俺はね、ぽっくりが希望だから、朝が来てぽっくり逝っていたら、お前は泣くんじゃないよ、やったね!と喜んでくれよな!」
「なんだか遺言みたいだね…」
「俺はあいつにこんな悲しいことを言わずに済んで良かったよなぁ~」
「あいつならなぁ~、たとえ話だと言ったって本気で泣くもんなぁ~」
「ねえ、パパ…また来年も二人で同じ話が出来るといいね!」
「馬鹿、俺は同じ話を何度も繰り返すほど、その辺のよぼよぼジジイとは違う!!!」
…と、せっかくの仲良し親子の会話がこんな終り方になってしまったけれど、でも最後の台詞、先生が言いそうな台詞だと思った(^_^;)
どうして父と似たような人と出会ったかなぁ~。
昔、昔、一人の女が我が子に魔法をかけました。
「パパに似た人と結婚したら、必ず幸せになれるからね」と…。
魔法をかけられたことなどすっかり忘れて育った娘も今は中年女となり、ある日、一人の中年男と出会いました。
中年女は、忘れかけていた母の言葉を思い出します。
「私はパパに出会えて幸せだから、絶対にパパにも幸せになってもらいたいんだよね」
幸せの力って凄いよね、話が広がっていくんだもんね。
一人から二人、二人から…希望が未来へと続いていく。
幸せってもっと大それたことだと思っていたけれど、何でもないような日常でも幸せはすぐ傍にあるんだね。
先生と出会って長い月日が経つけれど、今でも初めて会った日のことを鮮明に覚えている。
アイスコーヒーのガムシロップとミルクを並べて、仮想世界と現実世界の恋愛の違いについて解説してくれた。
私はあの時から恋に落ちた。
今も落ちっぱなしだけど、こんな面白い人、世界中どこを探したって見つからないだろうと思った。
「頭が良すぎる人間というのは、可哀想に頭の中の構造がおかしいんだよ!」と昔、父が真剣に言っていた。
自分が高校中退したことを肯定したかったのだろうけれど、今思うと、女は少々抜けたところがあった方が可愛いげがあると言いたかったのかもしれない。
私は母のような純粋さに欠けている。
だけど一つだけ似ているところがあるとすれば、好きなものに対してしつこいところかもしれない。
いつか…
私の特技は馬鹿の一つ覚えだったと、先生にいってもらえる日がきたら嬉しいなぁ~(^_-)-☆
美月
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誰が聞いても特別なことではないのかもしれない。
ただ毎年であれば長男の嫁として義父の家へ行き、父の日の祝いに来るだろう義妹夫婦二組を笑顔で迎えるべき立場だと思う。
…そう、確かに去年までは、そうしなければいけないと思っていた。
でも今年は違った。というより幸せ芝居は止めることにして、独りで父の日を過ごす父に逢いに行きたいと思った。
隣近所、誰も住んでいないのではないかと思うくらい静かな夕暮れ時、父と二人でテレビも付けず思い出話を語り合った。
「お前は幾つになった?」
父に聞かれて「おい!子供の年を忘れるのか?」とすばやい突っ込みを入れたけれど、父の年から引き算すれば私の年は自然と出てくるし、計算が出来ないほどボケているようには感じない。
父が言いたかったのは実年齢としての年ではなく、わが子が今年で51歳になることが信じられない様子だった。
「俺が年をとっても仕方ないよなぁ~」と82歳の父が言う。
「休日の夕暮れに82歳のパパと二人でのんびりと話をしているなんて信じられないよね」私が言う。
二人で商店街時代の話をしながら、昔の方が良かったのかな?と疑問符を投げかけてみた。
今より良くないんだよね。
生活にゆとりもなければお金もない。あるのは…苦労と借金だけ。
だけど当時は銀行から借金が出来るのは立派なことだったとえばられつつ、「借金があっても夢はあったよね!」と切り返してはみたけれど、思い出の中の私の姿が貧乏だったことに変わりなかった。
ただ…暗い話の合間にも、まるでオレンジ色の夕日に似た安堵感を与えてくれるのが母のお粗末な武勇伝だった。
「俺、あいつに出会わなかったら、寂しい人生だっただろうなぁ~」
「うん、そうだね。今よりきっと性格が悪くなっていたと思うよ」
「じゃあ~、もっと長生きしちゃうよなぁ~」
「俺はね、ぽっくりが希望だから、朝が来てぽっくり逝っていたら、お前は泣くんじゃないよ、やったね!と喜んでくれよな!」
「なんだか遺言みたいだね…」
「俺はあいつにこんな悲しいことを言わずに済んで良かったよなぁ~」
「あいつならなぁ~、たとえ話だと言ったって本気で泣くもんなぁ~」
「ねえ、パパ…また来年も二人で同じ話が出来るといいね!」
「馬鹿、俺は同じ話を何度も繰り返すほど、その辺のよぼよぼジジイとは違う!!!」
…と、せっかくの仲良し親子の会話がこんな終り方になってしまったけれど、でも最後の台詞、先生が言いそうな台詞だと思った(^_^;)
どうして父と似たような人と出会ったかなぁ~。
昔、昔、一人の女が我が子に魔法をかけました。
「パパに似た人と結婚したら、必ず幸せになれるからね」と…。
魔法をかけられたことなどすっかり忘れて育った娘も今は中年女となり、ある日、一人の中年男と出会いました。
中年女は、忘れかけていた母の言葉を思い出します。
「私はパパに出会えて幸せだから、絶対にパパにも幸せになってもらいたいんだよね」
幸せの力って凄いよね、話が広がっていくんだもんね。
一人から二人、二人から…希望が未来へと続いていく。
幸せってもっと大それたことだと思っていたけれど、何でもないような日常でも幸せはすぐ傍にあるんだね。
先生と出会って長い月日が経つけれど、今でも初めて会った日のことを鮮明に覚えている。
アイスコーヒーのガムシロップとミルクを並べて、仮想世界と現実世界の恋愛の違いについて解説してくれた。
私はあの時から恋に落ちた。
今も落ちっぱなしだけど、こんな面白い人、世界中どこを探したって見つからないだろうと思った。
「頭が良すぎる人間というのは、可哀想に頭の中の構造がおかしいんだよ!」と昔、父が真剣に言っていた。
自分が高校中退したことを肯定したかったのだろうけれど、今思うと、女は少々抜けたところがあった方が可愛いげがあると言いたかったのかもしれない。
私は母のような純粋さに欠けている。
だけど一つだけ似ているところがあるとすれば、好きなものに対してしつこいところかもしれない。
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