2011-10-12
前回の続きです
会計を済ませると、急いで事務所に向かった。
本当は診察の後、そのまま外仕事に出るつもりで段取りをしたここまでのスケジュールだったけれど、いつもながら一日穏やかな日常というものにはなかなか恵まれないものだよね。
楽あれば苦ありというけれど、短い時間の中で急変する出来事に少々疲れを感じてしまう年齢になった。
事務所の玄関に見慣れない頑丈そうな靴が沢山並んでいて、事の重大さを多少なり感じたけれど、鑑識さんの仕事振りを観ていたら『相棒』の米沢さんがいるのではないか?と思って探してしまった。
警察官、鑑識の人と合わせて七人来てくれたけれど、やっぱりドラマと違って匂いのする鑑識作業に妙な感動を覚えてしまった。
もちろん被害が物質的なものだけで誰も怪我をすることがなかったから、こうして呑気にいられるんだけどね。
各担当者の釣銭用バックに入っていた現金十万円程度と、銀行の通帳に証書が盗まれたらしい…。
…らしいと言うのも、実は何を盗まれたのかわからないものもあるらしく、大まかに言えばその程度だったみたいです。
会社と隣の家の隙間にある窓から侵入した形跡が見つかり、残された足跡から犯人は一人だと教えてくれた。
それにしても犯罪者もプロとなると大変な努力が必要になるんだろうなぁ~。
机の引き出しも全て開けっ放しのまま、散々散らかしてくれたよね。
引き出しは下から開けられた形跡が残っていたから、プロということになるらしいけれど…、それでも事務機器やパソコンに入っている顧客情報が盗まれなかったので一安心した。
でね…ここで取りだ足されるのが、普段の杜撰な管理体制ということになるけれど、こうなるとなぜか?喧嘩が起こるよね。
それも今どうでもいいことまで取り出して話すから、問題がややこしくなる。
窓ガラスを割られていなかったので鍵の閉め忘れが原因だと思うけれど、それだっていつ誰が開けて閉めたのかさえわからない。
普段は手の届かない使われない窓だから暑い時期に開けられたのかもしれないけれど、警察の人が言うには鍵はそれほど重要ではないみたい。
鍵が開いているかどうか?確認してから泥棒に入るタイプの空き巣は素人だと言っていたし、手口から観て常習者の犯行だと仄めかしていたけれど、まあ捕まってみないとわからない。
けれど何かあるたびに、人の心の中は明確に映し出されるもので、同じ事態に遭遇しても皆それぞれ違う思い方をするものだと改めて感じた。
近所の人がさも心配そうな顔をして義母に声をかけてくれていたけれど、明らかに野次馬根性なのだろうと思った。
まあね、あまりにも見え見え過ぎるから腹も立たないけれど、本当にわかりやすい人っているよね(^_^;)
そうなると、ちょこっと煽ってみたくなる。
「皆さん、お家の鍵はちゃんと閉っています?」
「くれぐれも火事場泥棒に合わないように気を付けてくださいね」
と言うと、蜘蛛の子を散らしたように急いで戸締まりを確認に戻るのだから面白い(笑)
でも普段からどっちもどっちの付き合いしかしていないのだからそれも仕方ないだろうけれど、誰が言ったか知らないけれど、人の不幸は蜜の味とはよく言ったものだよね…。
残された二分の情けをかけてもらったのかなぁ。。。
村八分のうちの二分だって分ける大きさによって区々があるし、全ての二分が皆に平等とは限らないんだけどね。
捻くれた物の見方をするなと叱られそうだけど、でもね、人に好かれるにしても嫌われるにしても、そこには理由があると思っているし、個人の資質より今ある立場が優先されて毛嫌いされることもあるしね。
だから人間観察は限りなく面白いのだけれど、私も誰かに観察されているとしたら同じ穴の狢なんだろうなぁ~。
泥棒騒ぎもお昼を過ぎる頃になると一段落したので外仕事に出かけた。
でもこんな出だしの日は空回りしてしまうことが多くて、お客様とのタイミングが合わなくなってしまう。
結局、二度三度足を運ぶことになるから、普段より時間もかかってしまったけれど、それでも先生からもらったメールの中から元気が出る言葉を探しているうちに投げやりな思いも消えてなくなる。
先生が居なかった頃は、どうしていたんだろう?とふと思った。
でも今更昔を振り返っても何も出てこなかった。
それでいいんだと思った。
過去に縋ったところで、救いの手を差し出してはくれないのだからね。
それでも誰かに愛された記憶が、今の自分に勇気を与えてくれるのかもしれないね。
美月
最後まで読んでくれてありがとう
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本当は診察の後、そのまま外仕事に出るつもりで段取りをしたここまでのスケジュールだったけれど、いつもながら一日穏やかな日常というものにはなかなか恵まれないものだよね。
楽あれば苦ありというけれど、短い時間の中で急変する出来事に少々疲れを感じてしまう年齢になった。
事務所の玄関に見慣れない頑丈そうな靴が沢山並んでいて、事の重大さを多少なり感じたけれど、鑑識さんの仕事振りを観ていたら『相棒』の米沢さんがいるのではないか?と思って探してしまった。
警察官、鑑識の人と合わせて七人来てくれたけれど、やっぱりドラマと違って匂いのする鑑識作業に妙な感動を覚えてしまった。
もちろん被害が物質的なものだけで誰も怪我をすることがなかったから、こうして呑気にいられるんだけどね。
各担当者の釣銭用バックに入っていた現金十万円程度と、銀行の通帳に証書が盗まれたらしい…。
…らしいと言うのも、実は何を盗まれたのかわからないものもあるらしく、大まかに言えばその程度だったみたいです。
会社と隣の家の隙間にある窓から侵入した形跡が見つかり、残された足跡から犯人は一人だと教えてくれた。
それにしても犯罪者もプロとなると大変な努力が必要になるんだろうなぁ~。
机の引き出しも全て開けっ放しのまま、散々散らかしてくれたよね。
引き出しは下から開けられた形跡が残っていたから、プロということになるらしいけれど…、それでも事務機器やパソコンに入っている顧客情報が盗まれなかったので一安心した。
でね…ここで取りだ足されるのが、普段の杜撰な管理体制ということになるけれど、こうなるとなぜか?喧嘩が起こるよね。
それも今どうでもいいことまで取り出して話すから、問題がややこしくなる。
窓ガラスを割られていなかったので鍵の閉め忘れが原因だと思うけれど、それだっていつ誰が開けて閉めたのかさえわからない。
普段は手の届かない使われない窓だから暑い時期に開けられたのかもしれないけれど、警察の人が言うには鍵はそれほど重要ではないみたい。
鍵が開いているかどうか?確認してから泥棒に入るタイプの空き巣は素人だと言っていたし、手口から観て常習者の犯行だと仄めかしていたけれど、まあ捕まってみないとわからない。
けれど何かあるたびに、人の心の中は明確に映し出されるもので、同じ事態に遭遇しても皆それぞれ違う思い方をするものだと改めて感じた。
近所の人がさも心配そうな顔をして義母に声をかけてくれていたけれど、明らかに野次馬根性なのだろうと思った。
まあね、あまりにも見え見え過ぎるから腹も立たないけれど、本当にわかりやすい人っているよね(^_^;)
そうなると、ちょこっと煽ってみたくなる。
「皆さん、お家の鍵はちゃんと閉っています?」
「くれぐれも火事場泥棒に合わないように気を付けてくださいね」
と言うと、蜘蛛の子を散らしたように急いで戸締まりを確認に戻るのだから面白い(笑)
でも普段からどっちもどっちの付き合いしかしていないのだからそれも仕方ないだろうけれど、誰が言ったか知らないけれど、人の不幸は蜜の味とはよく言ったものだよね…。
残された二分の情けをかけてもらったのかなぁ。。。
村八分のうちの二分だって分ける大きさによって区々があるし、全ての二分が皆に平等とは限らないんだけどね。
捻くれた物の見方をするなと叱られそうだけど、でもね、人に好かれるにしても嫌われるにしても、そこには理由があると思っているし、個人の資質より今ある立場が優先されて毛嫌いされることもあるしね。
だから人間観察は限りなく面白いのだけれど、私も誰かに観察されているとしたら同じ穴の狢なんだろうなぁ~。
泥棒騒ぎもお昼を過ぎる頃になると一段落したので外仕事に出かけた。
でもこんな出だしの日は空回りしてしまうことが多くて、お客様とのタイミングが合わなくなってしまう。
結局、二度三度足を運ぶことになるから、普段より時間もかかってしまったけれど、それでも先生からもらったメールの中から元気が出る言葉を探しているうちに投げやりな思いも消えてなくなる。
先生が居なかった頃は、どうしていたんだろう?とふと思った。
でも今更昔を振り返っても何も出てこなかった。
それでいいんだと思った。
過去に縋ったところで、救いの手を差し出してはくれないのだからね。
それでも誰かに愛された記憶が、今の自分に勇気を与えてくれるのかもしれないね。
美月
最後まで読んでくれてありがとう
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