2009-04-29
「恋の奴隷」
それほど親しくない友達から、今、不倫中であると告白され、私も先生と出会った頃のことを思い出しました。
彼女は高校の同級生だった彼と30年ぶりに再会し、 恋に堕ち・・・半年目だそうです。
月に一度、彼に逢える日を楽しみにしていながらも、未来を想像すれば不安になり、 恋する気持ちと戸惑う気持ちを深深と語ってくれました。
彼女が言いました。
「不倫とは言いたくないんだよね・・・恋愛だから・・・」
「恋愛に本気も嘘もないと思うから。。。」
「だけど、彼はどう思っているのかな? 愛してるとは言ってくれる。でもね、彼は本気かな?」
彼女は私からの答えを求めず、「誰かに胸のうちを聞いてもらいたかっただけだから…」と言っていました。
私は彼女の話を聞きながら、最近、切なさから少し遠ざかっていたことに気が付きました。
でも変ですよね?
今も出会った頃と同じくらい・・・ううん、出会った頃とは比べものにならないほど先生を好きになっているのに、不倫関係でありながら、切なさや淋しさを忘れられる時があるなんて…。
思い出せば、私にも淋しかったり、切なかった頃が沢山ありました。
どんなに濃密で楽しい時間を過ごしても、帰りの電車はシンデレラの馬車になる。
電車の扉が閉まる瞬間はいつも悲しくて、 私を見送る先生が次第に小さくなっていくと瞳が潤んでしまう。
笑顔で別れたいのに・・・それでも泣きそうな顔を残して帰る日々。
私はどこに帰るの? どうして先生の傍にいられないの?
離れたくないのに・・・もっともっと先生の傍にいたいのに・・・。
私の気持ちはきっと同じ境遇の方なら、何度も感じた「切ない想い」だと思います。
でもそう思っていた頃の私は、周りが良く見えなくなってしまっていたのかもしれません。
「恋の奴隷」
いつも心の眼には先生しか映っていないのに、私は自分の立場を忘れ、わがままを言うこともありました。
先生の愛するもの、それは人だけに限らず、薔薇であっても、ペットであっても同じ。
先生の眼に私しか映さなければいいのに・・・とさえ思う日だってありました。
先生はね、とても眼が悪いのです。私は老眼ではありますが、遠くならどこまでもよく見えます。
だから先生の視野がよくわかりません。
以前、ふざけた振りをして(実は本気です)
「先生の眼が見えなくなったら、私が先生の眼になるからね・・・」と言ったことがありました。
私は3人の子供の母でもあります。
我が子の眼が見えなくなり、私の眼を必要とするなら、私は迷うことなく見える世界をあげてしまうでしょうね。
だれど先生には、私が先生の眼の代わりになりたいと思いました。
どちらを深く愛すると比べるものではなく、与えること以上に、先生の眼になれたら誰よりも先生が私を必要としてくれるのではないか?と思ってしまう悪魔な私です。
でも先生の傍にいられる喜びを、何よりも優先したいと思いました。
これこそ独占欲ですよね。
私が始めて出会った「私の中の女の部分」でもあり、女性独特の欲が目覚めた瞬間だったのだろうと思います。
でもね、ふと!我に返ると。。。そんな自分が怖くなって・・・恐ろしくて・・・(汗)
愛する人の不幸さえ、真愛に変えようとするのだから、女というのは恋をすると狂うのかもしれません。
そして初めて男性に精神的依存を求めようとしている自分にも戸惑いました。
愛するあまり?憎いと思う気持ちと、それでも尚、恋しいと思う気持ちが入り混じると、時には振り子のように揺らいで揺れる感情を抑えることが出来ず、誰よりも慕っているはずの先生に楯突くことも多々ありました。
本当は喧嘩なんかしたくないのにね・・・。「ごめんねっ!」て素直に言いたいのにね・・・。
いつも先生の傍にいられたら、仲直りのタイミングだって沢山見つかるのにね・・・。
誓約のない愛こそ真実と、どんなに強がっても・・・不倫なんて・・・やっぱりどこか寂しいじゃない・・・・。
(ねえ~、どう愛すれば、お互いの心が豊かになれるの?)
人を愛することが自分を苦しめる材料となるのなら、愛することの意味さえわからなくなる。
それなら愛など持たず、孤独に生きる方が幸せなの?
(それでは幸せって何んだろうね?)
答えの観えない世界で「愛とはなにか?」を自問自答する時期もありました。
でもね冷静になって考えてみたら、愛する心の中で美しい心と醜い心が交差しているなんて哀しいことですよね。
そう思えるようになると、あまりにも小さな自分が恥ずかしくなりました。
その時、先生が言ってくれました。
「最初から愛など考えたってわかるわけがない・・・。どんなお前であろうとお前はお前でしかないんだよ・・・」
(私は私???)
そうですよね・・私は私でしかないのだから、私自身が成長するしかないのですよね。
当時の私は、久しぶりに出会った恋に囚われた奴隷だったのかもしれません。
先生の言葉を励みに、今夜の月も静かに眺めることが出来ました。
光に照らされてこそ、美しさを醸し出す澄んだ月…。
私もいつか蒼く輝く月になりたい・・・そうしたら…ずっと先生の傍にいられるでしょ…。
美月
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彼女は高校の同級生だった彼と30年ぶりに再会し、 恋に堕ち・・・半年目だそうです。
月に一度、彼に逢える日を楽しみにしていながらも、未来を想像すれば不安になり、 恋する気持ちと戸惑う気持ちを深深と語ってくれました。
彼女が言いました。
「不倫とは言いたくないんだよね・・・恋愛だから・・・」
「恋愛に本気も嘘もないと思うから。。。」
「だけど、彼はどう思っているのかな? 愛してるとは言ってくれる。でもね、彼は本気かな?」
彼女は私からの答えを求めず、「誰かに胸のうちを聞いてもらいたかっただけだから…」と言っていました。
私は彼女の話を聞きながら、最近、切なさから少し遠ざかっていたことに気が付きました。
でも変ですよね?
今も出会った頃と同じくらい・・・ううん、出会った頃とは比べものにならないほど先生を好きになっているのに、不倫関係でありながら、切なさや淋しさを忘れられる時があるなんて…。
思い出せば、私にも淋しかったり、切なかった頃が沢山ありました。
どんなに濃密で楽しい時間を過ごしても、帰りの電車はシンデレラの馬車になる。
電車の扉が閉まる瞬間はいつも悲しくて、 私を見送る先生が次第に小さくなっていくと瞳が潤んでしまう。
笑顔で別れたいのに・・・それでも泣きそうな顔を残して帰る日々。
私はどこに帰るの? どうして先生の傍にいられないの?
離れたくないのに・・・もっともっと先生の傍にいたいのに・・・。
私の気持ちはきっと同じ境遇の方なら、何度も感じた「切ない想い」だと思います。
でもそう思っていた頃の私は、周りが良く見えなくなってしまっていたのかもしれません。
「恋の奴隷」
いつも心の眼には先生しか映っていないのに、私は自分の立場を忘れ、わがままを言うこともありました。
先生の愛するもの、それは人だけに限らず、薔薇であっても、ペットであっても同じ。
先生の眼に私しか映さなければいいのに・・・とさえ思う日だってありました。
先生はね、とても眼が悪いのです。私は老眼ではありますが、遠くならどこまでもよく見えます。
だから先生の視野がよくわかりません。
以前、ふざけた振りをして(実は本気です)
「先生の眼が見えなくなったら、私が先生の眼になるからね・・・」と言ったことがありました。
私は3人の子供の母でもあります。
我が子の眼が見えなくなり、私の眼を必要とするなら、私は迷うことなく見える世界をあげてしまうでしょうね。
だれど先生には、私が先生の眼の代わりになりたいと思いました。
どちらを深く愛すると比べるものではなく、与えること以上に、先生の眼になれたら誰よりも先生が私を必要としてくれるのではないか?と思ってしまう悪魔な私です。
でも先生の傍にいられる喜びを、何よりも優先したいと思いました。
これこそ独占欲ですよね。
私が始めて出会った「私の中の女の部分」でもあり、女性独特の欲が目覚めた瞬間だったのだろうと思います。
でもね、ふと!我に返ると。。。そんな自分が怖くなって・・・恐ろしくて・・・(汗)
愛する人の不幸さえ、真愛に変えようとするのだから、女というのは恋をすると狂うのかもしれません。
そして初めて男性に精神的依存を求めようとしている自分にも戸惑いました。
愛するあまり?憎いと思う気持ちと、それでも尚、恋しいと思う気持ちが入り混じると、時には振り子のように揺らいで揺れる感情を抑えることが出来ず、誰よりも慕っているはずの先生に楯突くことも多々ありました。
本当は喧嘩なんかしたくないのにね・・・。「ごめんねっ!」て素直に言いたいのにね・・・。
いつも先生の傍にいられたら、仲直りのタイミングだって沢山見つかるのにね・・・。
誓約のない愛こそ真実と、どんなに強がっても・・・不倫なんて・・・やっぱりどこか寂しいじゃない・・・・。
(ねえ~、どう愛すれば、お互いの心が豊かになれるの?)
人を愛することが自分を苦しめる材料となるのなら、愛することの意味さえわからなくなる。
それなら愛など持たず、孤独に生きる方が幸せなの?
(それでは幸せって何んだろうね?)
答えの観えない世界で「愛とはなにか?」を自問自答する時期もありました。
でもね冷静になって考えてみたら、愛する心の中で美しい心と醜い心が交差しているなんて哀しいことですよね。
そう思えるようになると、あまりにも小さな自分が恥ずかしくなりました。
その時、先生が言ってくれました。
「最初から愛など考えたってわかるわけがない・・・。どんなお前であろうとお前はお前でしかないんだよ・・・」
(私は私???)
そうですよね・・私は私でしかないのだから、私自身が成長するしかないのですよね。
当時の私は、久しぶりに出会った恋に囚われた奴隷だったのかもしれません。
先生の言葉を励みに、今夜の月も静かに眺めることが出来ました。
光に照らされてこそ、美しさを醸し出す澄んだ月…。
私もいつか蒼く輝く月になりたい・・・そうしたら…ずっと先生の傍にいられるでしょ…。
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