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2011-06-15

月と太陽

今夜は月の出から、ずっと月を眺めてる。

月に思いを寄せてから、どれほどの歳月が流れただろう。

このまま…永遠の片思いかもしれない。

それでも月に魅せられ、観るほどに心惹かれてしまう。

その美しさは形ではなく、月そのものの存在価値なんだろうね…。

女と男が月と太陽であれば恋愛論など語ることなく心一つになれるのに、人の心は移り気だから揺らいで揺れる恋の炎が赤い糸伝説を作り出し、形としての愛を確立させてしまったのかもしれない。

それなら私は月に誓う。
月は心の鏡だから…。
美月
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2011-06-16

待ち人来たらず…

月は下降し雲に隠れた。

待っていたけれど…

赤い月を見る前に夜が明けてしまう。

またいつか…未来に希望を託しながら、
この夜に心残すのは、未練なのかな、それとも執心なのかな…。
美月

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2011-06-17

生きてる限り傲慢だろうけれど、最後くらい三歩下がろうと思う

今夜、先生からもらったメールには、長年愛用していた眼鏡を新しいものにしたと書いてあった。

眼鏡は、視力で右0.3、左0.15ぐらいしか出ていなかったらしい。
今度の眼鏡は、右0.6、左0.3だ。ここまでしか視力が出ない。

と書いてあったけれど、この視力眼鏡をかけての状態なのかな?
確かに眼鏡を外したら、殆ど見えないと言っていたけれど、眼鏡をかけてもこのくらいって、どのくらい見えるんだろう???

私は老眼だけど、遠くならどこまでも見える。
でもね、私はよく見える分だけ、いつも先生のことが心配になる。

先生は「お前の皺が見えなくて丁度いい」と言うけれど、それは有難いにしても、でもね、もっと見えなくなったら、先生が不自由な思いをすると思うと、心にチクチク何かが刺さる。

もちろん先生の眼が見えなくなったら、私にできることはお手伝いさせてもらうけれど、先生の読む本はとても難しい漢字が多いだろうし、それにね、意味がわからないと上手に音読できないでしょ。

読むのが下手くそだとイライラすると思うし、きっとイライラした後で見えないことを実感するかもしれない。

私を怒ることで先生の気持ちが晴れるのなら、幾らだって叱られてもいいけれど(今も変わらないからね…)、でも何かして差し上げる度に「ありがとう」と言われたら、こんな時はあまり嬉しくない。
病気になっても同じだよね。

「ありがとう」ってね、大好きな言葉だから、私はよく使ってる。
この言葉を使える機会が与えられたことが嬉しくて、感謝しながら自分まで気持ちよくなっちゃう言葉だよね。

私は昔から自分は何でもできると思ってきたし、言ってもきた。
でもね、色んな人に沢山、お世話をかけてきたから、人より少し使う機会が多かったのだと今は思う。

だって本当に何でも自分でできる人は、使用頻度が少なくて当然だと思うしね。
だからね、「ありがとう」をあまり使わない人のことは、「小さい時から頑張り屋さんだったんだろうなぁ~」と思うんだよね。

でもね、感謝されなくても良い人もいるんだよ。
自分が好きでやらせてもらっていることは「ありがとう」って言われなくても、その人が気持ちよく過ごせていると思うだけで嬉しい気持ちになるものだからね。

私はそう思える人のことを好きなのだと思う。
そうでない人には、ちょこっと感謝を強請ってみたくなるし、「・・・のに…」が心の中に残っちゃう。

ああしたのに…こうしたのに…。
「・・・のに」の後には、反発的な言葉しか浮かんでこなくなるからあまり使いたくないし、それではいけないと思いと思いながら、やっぱり人間だから「・・・のに…」を沢山使わなくてはいけない人の傍は、心地良くないと感じてしまうんだよね。

先生にはあれこれ望んだことが少なくて、せいぜい「見櫓を建ててね!」くらいしか贅沢は言わない。
だけどね、夢物語は沢山持ってる。

私はかぐや姫になりたくて(笑)、いつかはに帰りたいと、ずっと昔から思ってる(*^^)v

私は暗くて狭いところが怖いから、灰になってしまう前に先生の手でに葬ってもらいたいんだけどね。

本当はね、結婚式も蒼い明かりの下でしたかったんだけど、結局、あれこれ考えて言えないまま人生流しちゃった。今思うと大したことじゃないのにね…若い頃って大胆そうで肝っ玉小さいねっ(^^ゞ

あっ!話がズレちゃった・・・元に戻すね。

でもね、下葬儀を実現させることはないから安心してね。
私が先に居なくなったら、先生、独りぼっちになってしまうもんね。

まあ先生のことだから「お願いだから化けてでるな!」と念仏唱えるだろうけれど…(+_+)

きっと私のような妖怪女が居なくなれば、先生には若い女の子にモテモテの人生が待っているかもしれないけれど、先生の眼が見えなくなっても大切にしてくれるかな?
やっぱり心配ごとがあると、呑気に死んでいられなくなっちゃうもんね。

だから先生の少し後を着いて行こうと思う。
生きている限り慎ましい女にはなれそうもないから、最期くらい三歩下がって歩く女になれたらいいよね。

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2011-06-19

梔子の花

今朝、梔子の花が咲いていた。

死にかけていた枝を大切に育て、毎日毎日「元気になれ!」声をかけてきた。

やっと二年目にして、美しい花を咲かせてくれた。

純白の大柄な花は、花の美しさに加え、まったりとした甘い芳香を辺り一面に漂わせている。

裏庭や道端の片隅で咲き誇っていたクチナシの香りは、遠い遠い初夏の思い出。

私は沈丁花にしても梔子にしても貧しく厳しい環境にありながら、静かに美しく香る花が好き。

鮮やかな花々達と店頭に肩を並べられなくても、ひっそりと香る切なさに惹かれてしまう。

私の中に眠るもう一人の私の好みなのかもしれない。

白い花は月の色…何色にも染まる純情色。
美月

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2011-06-20

父の日の思い出

昨日は父の日でしたね。
どこのご家庭でも、それぞれの父の日があったと思う。

私は八十歳になる父と、初めて二人だけの父の日をゆっくり過ごした。

本来なら嫁である私は、嫁ぎ先で義父の日を迎えるべきかもしれない。
毎年そうしてきたけれど、もうそろそろ好きなことをしてもいいような気がして、父と二人の時間を優先させてもらった。

たとえ世間の理屈が正しいとしても、大好きな人と過ごせる時間に限りがあるなら、自分らしくありたいと思う。
体裁を繕うだけに懸命に生きたところで、他人からの評価と自己評価に人生の違いがあるなら、せめて小さな我侭をつきたいと昨日の私は思った。

それでも父に「行っていいか?」と聞いてみなくては、訪れることもできない。
いつも「行く」というと、「来るな」という。
「こちらに来る時間があるのなら、自分のために使え」と父は言う。

父には嫁ぎ先を優先しろと、ずっと言われて続けてきた。
嫁に出した娘は、その家の者となるのだから、実家など葬式の時に戻ればいいと…。
でも昨日、父は何一つお小言を言わず「ああ、待ってるよ」とだけ言ってくれた。

半年振りに見る父は、少しだけ老いて見えたけど、それでも変わらず生きる気力に満ちていた。
私の話す世間話など面白くない様子で、新しい事をよく知る父に感心させられることばかりだった。

それにしても八十歳にしてトヨタのプログレに車を買い替えていたし、アクセルの踏み込みが柔らかいトヨタ車は前に走るにはスムーズでいいけど、駐車する際のバックは危険だと指摘していたし…。

世相を語るも老いた爺の粋を超えていて、常に父の語る言葉は、だからこうするべきだと自分の意見を最大限に発揮する性質があったけれど、それに輪をかけて年寄り批判をしていた。

自分が老いたからわかることもあるらしく、若者を批判する前にまず自分達を批判するべきだと豪語していたよ。

これだから父には老人友達が居ないのも良くわかるけれど、年寄りを高級ブランド扱いにして、えばった顔した生きる屍が嫌いらしい(笑)
 
父は文句は人一倍言うけれど、愚痴は言わない人。
本当なら四度死んでいるはずの人間は逞しく、生きることに誰よりも貪欲だった。

夜遅く家に戻ると、先生からのメールにも父の日の様子が書かれていた。
息子さん達からそれぞれ先生の好きな物を送られ嬉しい様子が書かれていた。

自分の好きな物を知っていてくれる喜びは、プレゼント以上のものだろうね。
きっと息子さん達は、お母さんに相談したんだろうなぁo(^-^)o

私は先生の奥様と息子さん達の和やかな会話が浮かんできて、素敵な家族だなぁ~と率直に感じることができた。
先生の過ごした穏やかな時間を羨むことなく妬むことなく、先生が幸せで良かったと、心からそう思うことができて、なんだか私まで幸せな気持ちになった。

普段、誰よりヤキモチ妬きだけど、私は父に逢えて心満たされていたのかもしれないなぁ~。

人は愛されることで優しくなれるし、愛する人がいるだけで強くなれる。
この年になって、愛に感動できる人生はとても素晴らしいと思ったよ。

昔、母ばかり優先する父にヤキモチを妬いたことが多々あった。
でも私がヤキモチを妬いた相手は、父でも母にでもなかったのだと昨夜遅くにわかった。

父と母…
私が二人に愛されていることに自信が持てなかったのは、誰より私が自分を嫌いだったからだと思う。

二人だけの夕ご飯を食べながら、父が嬉しそうにお酒を飲んでいた。
そして遠い昔のことを、網戸越しにチカチカ光るオレンジ色のネオンを観ながら聞かされた。
 
「お前の眼は、イタズラする時が一番、輝いていたからなぁ…」
だから悪さするとわかっていても、大概のことでは文句が言えなかったと…(*^^)v

えへへ!なぁ~んだ、そうだったのかぁ~、それだけのことだったんだね。

なぜ?父にだけはすぐに嘘がバレるのかと思っていたら、事実を知られていた訳ではく、私の目を見て鎌をかけられていただけだったのかと思うと、あれこれと昔の悪さを思い出せば堪らなく可笑しくて、一人帰る首都高速を爆走しながら大笑いしちゃった。

あれ?先生に嘘がバレるのもきっと同じ理由なのかな…???
思えば嘘なんて、普段からちゃんと相手の目を見ていればわかることなんだね。

それなら嘘がバレた人が幸せなのかなぁ…(笑)
ううん…違うよね。
嘘など付かず、ありのままの姿で愛し愛されることで人の心は安らげるんだよね。
美月
   
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プロフィール

美月

Author:美月
今年の夏で49歳になります。
月日の経つのは早いもので、不倫愛歴七年目を迎えました。この出会いに感謝して、灰になるまで恋を…と願っています。

幼い頃から月に心惹かれ、今では月が心を映す鏡となっています。こんな月マニアの私の為に、愛する人が「美月」と名づけてくれました。いつまでも大切に使っていきたいと思います。

ようこそ…
「灰になるまで恋を…」にお越しくださいましてありがとうございます。当ブログは不倫愛・性に纏わる内容が含まれております。18才未満の方、不倫、性的内容を好ましく思われない方の入場は、ご遠慮願います
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